1日目のカレー

とあるウェブ編集者が、仕事からは一歩距離をとって「一筆書き」する場所。熟成前の「1日目のカレー」的な考えを書き溜めていきます。ビジネス・テクノロジー領域から思想・哲学領域まで、幅広く仕事しています。

そのサービスは、どんな「欲望」に斬り込んでいるか?(スコット・ギャロウェイ『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』書評)

2018年の流行語大賞の候補に、「GAFA」がノミネートされました。 GAFAのようなテクノロジー企業の影響力が日本のマスにまで完全に浸透したことを、端的に示す例だと言えるでしょう。 僕も、ずっと気になっていた『GAFA』を読みました。 結果、想像以上に楽し…

マインドフル・ライティング

noteが普及するにつれ、「毎日noteを書くぞ」的な動きをよく見るようになりました。 自分は、正直そういった潮流にはあまり賛同できません。また今度まとまった文章を書こうと思いますが、noteにはバズ狙いの箇条書きTwitterにも似た嫌悪感を抱いてしまうの…

「市場規模●●億円」と言われてピンと来るひと、来ないひと(シバタナオキ+吉川欣也『テクノロジーの地政学』書評)

「▲▲の市場規模は、2017年には●●億円にのぼり...」–––ビジネスに関する書籍や記事を読んでいると、よくこうした表現に出会います。 自分は、こういう一節を見て、ビビットに理解できた試しがありません。 「へぇ〜、大きいんだ〜」くらいの感想を抱いて、そ…

笑ってしまうくらいの思想性が、未来への原動力となる(『WIRED』日本版VOL.31書評)

雑誌は、思想のシャワーみたいなもの。 特定の思想をバックボーンに、さまざまな論者が、多様な角度から世界を語る。 それは時に暴力性を孕むかもしれない。 だけど、そうやってスタンスを取ることで、はじめて世界が変わることもある。 ポリコレ棒を振りか…

人文書を読むためには、「筋力」が必要だ(千葉雅也『意味のない無意味』書評)

久しぶりに人文書を読む。 カチカチの理論書ではなく、エッセイ集ではありますが、人文書は人文書。 最近使っていなかった「筋力」が必要で、苦労しました。 ビジネス書は、基本的に誰にとってもわかりやすいように書かれています。具体性も豊富です。だから…

スタートアップの魔力

スタートアップには魔力がある。 スタートアップで働く高揚感は、何者にも代えがたい。 起業したわけでもなく、ただシード期のスタートアップで働いた経験があるだけで、自らそこを辞めただけの自分ですら、たまに恋しくなる。 その感覚を思い出させてくれる…

シングルタスクに徹することで、「無駄な時間」がなくなる

最近、プライベートの領域で色々と思い悩んでいたことがあり、仕事にあまり身が入らりませんでした。 もちろん解決のためのアクションを取るべく動いてはいましたが、それでも気が紛れるはずはなく。 遅々として進まない時間をなんとかして埋めようと、ブッ…

編集者は、想いをことばにしない職業です。

「文章をつくる仕事」というと、どのようなイメージが湧いてくるでしょうか。 小説家、エッセイスト、コピーライター...。 自分は、一般的に「編集者」「ライター」と呼ばれるようなお仕事をしています。 ビジネス・テクノロジー系のウェブメディアを中心に…